大腸がん 夫の視点、妻の視点

大腸がんのことを振り返ってみました

夫が大腸がんの手術をしたのが2012年11月。
大腸がんがわかったのが、2012年10月なので、現在2014年3月でもうすぐ1年半、というところでしょうか。
こうやって考えるとまだ1年とちょっとなんだなぁとなんだか今日までが長く感じます。

がんに対しての知識は、私の父がスキルス胃がんだったことで少しだけ知ってたというくらい。
大腸がんに関しては、まったく知識がありませんでした。

いろいろ調べていくうちに、結腸がんと直腸がんがあることがわかり、夫の場合は結腸がんだったこと。
大腸がんは、ストーマと呼ばれる人工肛門になる可能性があること。
下行結腸というめずらしいところにできた大腸がんだということ。
初期と言える状態ではないこと。
転移はおそらくないだろうけど、手術をしてみないとわからないこと。
手術が終わっても抗がん剤治療をしなければいけないこと。

知らないことばかりで、日々の仕事や家事の中でその知識を増やすための勉強も続け、そして決断もしなければいけない。
それでも焦ったり、なげいたり、泣いたりすることで改善されることでもないので、なぜかそこには意識がいかなかったですね。

この先どうすればいいのか、どうしたほうが私たち夫婦にとってベストなのか

そのためには冷静に情報を集め、わからない情報を担当医に聞き、「教えてよ」だけではなく、専門書やレポートを読み、自分なりの理解をすすめていくことで、より専門的な話を聞くことができるという繰り返し。

そうやってすすめていく中でもどんどん手術日は近づいてくる。

手術のため、手を振って手術室に向かう夫の目を見ることができず、そのときに初めて現実を感じたような気がします。

予定より手術時間が伸びたのも不安だったし、その後、痛がる夫を見るのもつらかったのですが、これは見なきゃいけない現実だな、と思って少しの変化も見逃さないようにしていました。

HCUから一般病棟にうつってからの夫の回復スピードはとても頼もしかったです。
歩けば歩くほど、回復が早いということを聞いて、私がいないときには積極的に歩き、私がいるときでも、歩きに行くほどでした。
そのおかげで、予定より早く退院ができたので、夫の強い意志を感じることができました。

退院の日はすごく嬉しそうで、外にでたときの嬉しそうな顔は今でも思い出すと嬉しくなります。
私の心配は毎日どんな食事を作ったらいいのか?の勉強の日々でしたが。

最初の頃はちょっとびくびくしながら食事を作っていましたが、あまり心配しすぎてもなぁと割り切って最近ではだんだん慣れてきました!
ただ、大きくかわったのは薄味になったことと、食べる量、噛む回数ですね。

手術から2ヶ月もしないうちに、抗がん剤治療がスタートしたので、それからは抗がん剤と副作用との上手なつきあい方を模索してきました。
2013年6月中旬にすべての抗がん剤治療が終わり、副作用もよくなると思っていましたが、今日現在、まだ末梢神経障害のため、手足は冷たく、感覚があまり戻らないままです。

何年続くのか、よくなるのか、ならないのかは、日々を過ごさないとわかりません。
今、夫の体にがん細胞があるのかないのかは、日々を過ごさないとわかりません。
ただ1つ言えるのは、夫が大腸がんになったことで、私たちはいろいろなものを見直すことができ、そして見ることができるようになりました。
どんなに大変なことがあっても、健康があれば明日がある。
健康がなければ他にどんなに恵まれていても、何もできない明日になるかもしれない。

そういう大切なことがわかった今、こうやって振り返ることで、あらためて、健康に感謝、そして周囲の方に感謝ですね。
なんだかつらつらと振り返ってみました。