大腸がん 夫の視点、妻の視点

7年前に買った本にサヨナラ

夫が大腸がんの手術をしたのは2012年11月8日。
あれから7年4ヶ月が経ちました。
夫本人は、普段は大腸がんだったことさえもあまり思い出さずに生活しているようですが、私にとって、7年4ヶ月前は本当にいろいろな情報が欲しい時期でした。

とにかく「大腸がん」について知りたい、情報が欲しい。

当時、なるべく新しい情報が入っている本を探して買っては読み、とにかく知識をつけていました。
そしてふと、最近、7年4ヶ月前を振り返ったとき、当時買った本はすでにページを開くこともなく、「思い出」のように本棚に並んでいるだけ。

ふと、「これはいつ処分すればいいんだろう」と考えたのですが、7年経った今、もう処分してもいいのではないかと考えて久しぶりに本を手に取りました。

私自身、整理収納について勉強して実践していることから、普段の生活の中では、なるべくモノを持たない生活をしていますが、病気のことになると「あったほうが役に立つかも」と思っている自分に気が付きました。

でも、よく考えると、7年前と今は医療も違いますし、大腸がんの治療のガイドラインも日々、更新されていっています。
7年前に「いい」とされていた薬ももしかしたら、今では使われていないかもしれません。
そう考えると、あの時買った本は、すでに情報も古く、今後も使う必要がないものではないかと考えました。

しかし「気持ち」の部分では「あの時一生懸命読んだ本だから」というのがありますし、処分するのも、と思いましたが、もし今後、夫が大腸がんやその他の病気になったときはその時に最新の情報が掲載された本を買おうと決めました。

このブログを始めたのも、「夫が大腸がんだったときの記録を」「もし私たちのように何も知らないままで大腸がんになった人、家族のために記録を」と思ってからのスタートでした。

実はこのブログが、がんの専門雑誌に紹介された冊子が、大腸がんの本とともに出てきました。写真にうつる夫は抗がん剤治療中で、髪の毛が抜けている状態だったので、今の姿とは全く違う姿をしているのも今ではいい思い出です。
「がんサポート」の2013年5月号だったので、ちょうど6年ほど前ですね。

思い出の「がんサポート」2013年5月号

これに関しては、自分たちが掲載されていることと、デジタルで残すより、冊子を残す方がいいと判断して残すことにしました。
こうやって掲載されることは人生の中でも多くないですし、あと何十年たってあとに、当時の自分たちの気持ちを思い出すのにはいい材料になると思ったからです。
こうやって整理した本は4冊ですが、この4冊で15センチほどの本棚のスペースが空きました。
これにより、とてもよく使うのに、どこに入れていいかわからなくなっていた本を収納することができたので、結果、とても嬉しく、未来に向かってのスペースの使い方ができていると感じました。

大腸がんで通院していたときの領収書などもすべてとってあるのですが、早いうちにこういう書類もしっかり片付け、処分していこうと思いました。大腸がんの「思い出」はスペースをとる本や書類ではなく、私たち夫婦の中に「経験」として残っています。

がんブログの達人、だなんて素敵なタイトルのコーナーでした