大腸がんになる前、後の「仕事」の話

大腸がんになってから一番不安になったのは、やはり

仕事が続けられるかどうか

でした。
「がん」というと、手術をしたり、抗がん剤治療など、というイメージはすぐに出てきたので、体力的な問題がどこまででてくるのか?という不安がありました。

うちの夫の場合は、自営業で、IT関連の仕事のため、体力的にハードなものではなかったのですが、やはりそこの不安はつきまとっていました。

まずは大腸がんとわかってからの検査がいくつもあったときには、病院の時間以外で、仕事の時間を確保していました。
ただ、無理をすると体に悪い影響がでるというのではないかという不安があったので、睡眠時間だけはしっかり確保をしていました。

手術前になると、あとは手術を待つだけ、となるのでそのときは通常通りの仕事を。
手術の前日から入院して、手術、その後HCUに入って一般病棟へ。
さすがにこのときはパソコンから離れていましたが、一般病棟にうつった2日目にはパソコンを持ってきてほしいと言われて持ち込んでいました。
ただ、長時間座っておくことは、術後の回復を遅くするので、あまりパソコンに向かわないように意識はしていました。
実はこのときもメールの対応をしたり、の通常業務をおこなっていました。


自宅に戻ってからは、体調を第一に、ただし、寝てばかりだと体力が落ちてしまうので、動きつつ、仕事をこなしていました。
会社に出勤するのもなるべく最低限にして、仕事のスピードを落とさないようにしていました。

抗がん剤治療中も通常通りに仕事をしていましたが、うちの場合は、出勤しても外からの来客がほとんどないこと、打ち合わせがあっても、抗がん剤を持って動けたことが働けた要因だと考えています。

抗がん剤治療中は特にそうだったのですが

・免疫力が低下している時期なので、極力、外での打ち合わせやセミナーなど、密閉した部屋での外部との接触を減らすようにした
・外出は気分転換としては必要だったが、映画館などの密閉された空間にはいかないようにした
・疲れた、ちょっと体調が悪いなどの異変があったらまずはゆっくり休むように意識した
・家族全員が、外から風邪を持ち込まないように、食事と睡眠をしっかりとり、可能な限り、マスクや手洗いを徹底した

ということを意識していました。

手術をしないといけないとわかってから実際の手術までの1ヶ月の間で、夫が担当している仕事を周りに割振り、彼がいなくても、対応できるようなしくみづくりができたのはとても有効だったと思っています。

実際には、会社員として働いている場合には難しいかもしれませんが、少しはヒントになるかな・・・と思ったので覚え書きです。

仕事を続けられないと収入の不安もあり、そして無理をすると体調の不安がある

という現状は

子供がいるから働きたいのに、働かないと保育園に預けられない

という現状とレベルは違うものの、似ているなぁと感じました。
そこで世の中や社会に対して異論を唱えるのもいいことだと思いますが、私達の場合は、それをやっても自分たちの生活はよくならないし、守れない、と感じるので、まずはそれをどうやったら実現できるのかを考えるようにしています。

できないことをいろいろ考えるより、できることをどうしたらいいか、ということですね。
最終的に、私が夫に言ったことは

「あなたが働けなくなっても、私がどうにかするから、まずは大腸がんの手術をする、治療をする、そして前を向いてください」

と伝えました。
2人で落ち込んでも先がないので。
できるかできないかを考えるのではなく、やるしかない、ですよね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました