大腸がんが夫にもたらした経験と宝物

日々徒然

昨日、仕事の合間に少し時間ができたので、いつもは聞かない話をしてみようと思って聞いてみました。

「大腸がんになってから抗がん剤治療が終わるまでに嫌なこと、大変だったことって何?」

私、仕事でいろいろな方のインタビューや取材をする「ライター」の仕事もやっているのですが、夫に対してこの気持ちで話を聞いたことがなかったかも、と思ってちょっとお仕事モードスイッチON。

「抗がん剤がきつかった」
夫はフォルフォックスという抗がん剤を選択しました。
簡単に説明すると、左胸に事前に手術で開けてあるポートに針をさして、抗がん剤を体内に入れていきます。

抗がん剤をいれるために局部麻酔で入れたポート

初めて抗がん剤を入れた3日間の話は下記のタイトルをクリックすると記事を見ることができます。
術後補助化学療法 mFOLFOX6(フォルフォックス) 1クール1日目
術後補助化学療法 mFOLFOX6(フォルフォックス) 1クール2日目
術後補助化学療法 mFOLFOX6(フォルフォックス) 1クール3日目

この時、実はとてもきつかったそうです。
私にはほとんどそんなことを言わなかったのですが、抗がん剤の何がきつかった?と聞いてみると、抗がん剤のボトルをずっとぶらさげながら過ごすこと、2週間のうち、たった3日間なんだけど、気持ちは強く持っていて大丈夫!と思っているけど、やはり目の前に抗がん剤をしている現実が見えるので落ち込んでくる、と話していました。

抗がん剤を入れているボトル。

眠るときもずっとぶら下げたまま。これまでは眠るときには、気にせず寝返りもしていたけど、やっぱりめんどくささもあった。
でもそれを妻には言わないことで、コントロールをしていた。言葉にすることで、さらに落ち込むし、落ち込んだ姿もみせたくなかった。落ち込んだ姿を見せたことでさらに落ち込みそうだったから。

と思い出しながら話してくれました。
術後、抗がん剤治療をしながらも腸が捻れたり、癒着があるかもしれないという心配もあったし、とにかくきつかった。今だから言えるんだけどね。

と話していました。

それを聞いていると、泣きそうになりましたが、私たち2人の中には、大腸がんになったことで得た宝物があります。

「子供は欲しくない」

と合致して再婚した妻の私。私には前夫との間に娘が2人いるので、もう子供はいらないと思ったし、夫は子供がいることで親が苦労しているのをみてきたからいらない、という考え。

でも大腸がんになったことで

「自分の子供の顔がみてみたい」

ということで不妊治療を経ての自然妊娠。
そこで生まれた息子は3歳10ヶ月になりました。
大腸がんは私たち夫婦に大きな経験と宝物をもたらしてくれました。

そしてこうやってブログにしたためていくことで、その時の状況や考えていたことが今でも昨日のように思い出せるこの大切なブログもつくることができました。

こうやって考えると、大腸がんが夫にもたらしたもの、それはプライスレスですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました